とろろ豆腐百珍

読んだ本の感想などを書きます

ラフラのように

 MONDO GROSSOの「ラビリンス」を聞いていたら、満島ひかりが「迷い込んで ラフラのように」と歌っていた。

 ラフラとは何か。

 La Fla フランスかスペインか、どこかヨーロッパの南の方、地中海の強い日差しが似合う響きだと思う。

 ぱっと思い浮かんだのは細かい刺繍の入った織物の束だったが、これはさらさ(更紗)からの連想かもしれない。

 更紗の語源を調べるとポルトガル語のsarassa 、スペイン語のsaraza 、ジャワ語のsrasahなど諸説あるらしい。ジャワを除けば南欧の印象とも一致する。南蛮由来の文物を示す言葉かもしれない。南欧の港町で土壁造りの古い路地の迷宮に迷い込んでいく神秘的なイメージ。

 もしくは生きた化石とよばれる深海鮫・ラブカの仲間かもしれない。細長い身体をウナギのようにくねらせて泳ぐラブカのイメージと「迷い込んで」という歌詞が重なり合う。

 

 ここまで空想してから歌詞カードを開いた。正解は「白夜のように」だった。

 わずかにラビリンス感を失った。