とろろ豆腐百珍

朧夜や誰れを主と言問はむ

京博琳派展

 10月10日から京都国立博物館ではじまった特別展覧会「琳派 京を彩る」に参戦してきた。今年2015年は琳派のプロデューサー本阿弥光悦が洛北鷹峯に居を構えてから400年ということで、それを記念した展覧会。

 

 三連休の中日の14時頃に行ったのだが、入り口の説明では入場制限で40分ほど並ぶとのこと。去年の鳥獣戯画展の120分待ちに比べれば大したことないが、この間にパンフレットを読みこむなり中庭の「考える人」をぼんやり眺めるなりして過ごしましょう。体感では20分経たないくらいで中へ。

 展示順は光悦と宗達→光琳→抱一→(同時代の仏像コレクション)→乾山・抱一・其一など、と主に時代順になっていた。ちなみに仏像の解説をよく読むと「気の抜けた立ち方」「全く怒りを感じないポーズ」「頭の頂上から後頭部にかけて髪が薄くなっている」とボロクソで面白い。

 一番の見どころはやはり俵屋宗達尾形光琳酒井抱一の三人の風神雷神図が屏風が一堂に会することだろう。抱一は27日からということでまだ届いていないが、宗達・光琳の二作の前には人だかりができていた。

 展示前期は初期の作品が中心なのか僕の好きな酒井抱一の作品はそんなに多くなかったが、宗達の風神雷神の裏に描かれた夏秋草図屏風や八橋図屏風などの傑作揃いだった。光琳の作品を一点ずつノートに模写した光琳百図など抱一の光琳への敬慕が伝わる物も。四季花鳥図巻のカマキリや鈴虫といった小さきものたちはいつ見ても良いものですぞ。

 へうげ好きとしては光悦作の茶碗「雨雲」や「乙御前」が見られたのも満足。

 

f:id:yudoufuksk:20151012225537j:plain

 (画像がバカでかくて申し訳ない。へうげものの若旦那こと俵屋宗達

 

 琳派の変わったところは、画業は狩野派や土佐派など流派によって代々受け継がれていくのが当たり前だった時代に(もっとも画業だけではなく江戸時代においてはほとんどのものがそうだが)、光琳が宗達を意識して技を学び、抱一が100年前の光琳を師と仰ぐという形で後継者が生まれてきたことだ。それは当人が世を去って後も影響を与え続ける優れた作品と、その作品からインスピレーションを受けて自らの画に取り入れるだけの感受性を持った作者が存在するということだろう。

 現代だと西村賢太が大正時代の藤澤淸造の没後弟子を称するようなものだろうか。時代も環境も超えて受け継がれるもの。

 

苦役列車 (新潮文庫)

苦役列車 (新潮文庫)

 

 (どうしようもないクズの日常が笑えてしまうのはなぜなのか)